2025.03.20
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ブログ鍛造材の加工ノウハウとは?
(1)鍛造材の特性を理解する
高硬度・高強度→工具摩耗が激しくなります。
内部応力が残る→変形や寸法誤差が発生しやすくなります。
表面に酸化スケールがある→切削時に工具の摩耗を促進します。
(2)加工前の準備
①スケール(酸化被膜)の除去
スケールは非常に硬く、工具の摩耗を早めるため、ショットブラスト・酸洗い・研削などで事前に除去します。
除去できない場合は、超硬工具やCBN工具を使用し、低切込みで削る方法が有効です。
②内部応力の除去
鍛造材は冷却過程で内部応力が発生し、加工時に変形を引き起こします。
応力除去のために焼鈍や時効処理を行うと、寸法精度が安定しやすくなります。
(3)切削工具の選定
①工具材質の選定
超硬工具→高切削速度や高加工精度に適しています。
ハイス工具→断続切削や試行加工に適しており、靭性・耐衝撃性に優れます。
CBN工具→高硬度材(HRC40以上)に適用されます。
コーティング工具(TiAlN,AlCrNなど)→工具寿命を延ばす効果があります。
②切削刃の形状
刃先角度を大きめ(鈍角)にすることで、工具の耐久性を向上させます。
ポジティブ(前向き)なすくい角を確保し、切削抵抗を抑えます。
強ねじれのドリル・エンドミルを使用し、切りくずの排出性を向上させます。
(4)切削条件の最適化
①切削速度(Vc)
硬度が低い(HRC30以下)→高速切削が可能(100~150m/min)
硬度が高い(HRC40以上)→低速で工具負荷を抑える(50~80m/min)
②送り(F)
過小にすると加工熱が集中し、工具寿命が低下します。
適度に大きめの送り(0.1~0.3mm/rev)で加工負荷を分散させます。
③切込み量(ap,ae)
粗加工→深切り(ap=3~5mm)で時間短縮します。
仕上げ加工→小切込み(ap=0.2~1mm)で高精度加工を行います。
④クーラントの使用
一般的な鋼材→切削油・水溶性クーラントで冷却します。
焼入れ鋼・高硬度材→乾式加工orエアブローが有効です。
(5)振動・加工変形の防止
剛性の高いクランプ機構・チャックを使用し、ワークをしっかり固定します。
長尺ワークは支持具を使用し、加工中のたわみを防ぎます。
段階的な荒加工→仕上げ加工を行い、応力を分散させながら加工します。
(6)仕上げ加工のポイント
鍛造材の加工後、応力が抜けると微小な変形が発生します。
高精度が求められる場合は、粗加工後に時効処理(応力除去)→仕上げ加工を実施します。
CBN・PCD工具を活用し、高硬度材でも滑らかな仕上げ面を実現します。
(7)品質管理・検査
内部欠陥(ボイド・ミクロクラック)のチェックを行います。
硬度測定を行い、焼入れ状態や材質の均一性を確認します。
加工後の変形を考慮し、適切な測定方法を選定します。