2025.06.11
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ブログ部品加工のプロが教える『素材選び』の重要性と落とし穴
部品加工でよくあるご相談。
「この部品、SUSで作ってもらえますか?」 「アルミで作ったらコスト下がる?」 「硬い材料の方が安心でしょ?」
──その選び方、ちょっと待った!
素材選びは、加工のやりやすさ・コスト・品質・納期すべてに影響する、まさに“設計の土台”。
ここでは、現場目線で「失敗しない素材選定のコツと注意点」をお伝えします。
■ 加工しやすい=良い材料、とは限らない?
たとえば「アルミ」は加工しやすい=機械に優しい=コスト安。
でも強度や熱に弱い。なので「負荷がかかる部品」や「精度を長く保ちたい用途」には不向きなことも。
逆に「SUS(ステンレス)」はサビに強くて見た目も良し。でも、硬くて加工に時間がかかる。
加工のしやすさ・強度・見た目・コスト…全部バランスなんです!
■ よく使われる素材の特徴まとめ
素材名 特徴 落とし穴
アルミ系材 軽くて加工しやすい。安価 強度・耐熱性は低め
SS400など軟鋼 安価で一般的な構造材 錆びやすい、精密用途には△
SCM(合金鋼) 強度と加工性のバランスが良い 熱処理しないと硬度が足りないことも
SUS304 錆びにくい、美観も良い 加工がやや大変でコスト高
銅・真鍮 電気・熱の伝導性◎ 高価、バリが出やすい
■ 選定時のチェックポイント3つ!
その部品にどんな力がかかる? → 荷重、摩耗、熱、衝撃などの条件を確認!
見た目は重要?コストは? → 表面処理で解決できる場合も!
どの工程が難所になりそう? → 切削性・溶接性・研削性などで変わります。
■ 現場あるある「選定ミスの例」
加工しやすいからとアルミにしたけど、強度不足でNG
SUSでかっこよく見せたが、穴精度が出ず苦労
図面に材質指定なし → 見積もりで全員混乱
▼まとめ
素材選びは“設計の一丁目一番地”。
設計者・調達・加工現場がしっかりすり合わせておくことで、後戻りのないスムーズなものづくりが実現します。